初心者向け!プロモーション戦略立案の基礎とフレームワーク

マーケティングを学ぶ

効果的なプロモーション戦略を立案することは、マーケティング活動の成功の鍵です。

特に、初めてプロモーションを担当する方にとっては、戦略の土台となる「だれに」「なにを」、また「目標」、そして「どうやって(手法)」を体系的に考えることが重要です。

今回は、プロモーション戦略の基本フレームワークを活用しながら、プロモーション立案の流れを解説します。

この記事はこんな人におすすめです

  • 初めてプロモーション戦略の立案を担当することになった
  • マーケティング担当になって日が浅く、体系的に戦略立案の流れを知りたい
  • マーケティングの仕事に興味があり、どのような流れで戦略立案を行うのか知りたい

プロモーション戦略立案を行うことの重要性

まず最初に、プロモーション戦略は、単なる広告やセールス活動ではなく、「適切な人に価値を届けるための計画」です。

ターゲットに合わないメッセージや手法でプロモーションを行っても、無駄なコストがかかるだけでなく、顧客に混乱を与えかねません。

適切な戦略があれば、リソースを最適化し、顧客満足度を高めつつ売上の向上が期待できます。

それを踏まえて、プロモーション戦略の立案に向けた検討を行うよう心がけましょう。


最も重要なのは「だれに」「なにを」

プロモーション戦略の基本は「だれに(ターゲット)」「なにを(メッセージ)」の2つの軸です。

この2つが明確でないと、どれだけ優れた手法を用いても、効果的なプロモーションは実現できません。

またこの2つをしっかりと検討できていない場合、「なにをしたらいいのか、またどのような施策をやるべきなのかが分からない」という状況に陥るケースが多くなります。

そうならないためにも、まずは「だれに」「なにを」を明確にするための分析と検討が必要です。

逆に言えば、「だれに」「なにを」が明確になっていれば、戦略立案の70~80%は完了したといっても過言ではありません。それほど重要な軸となります。


「だれに」「なにを」を考えるときのフレームワーク

そうは言っても、どうやって考えていったらいいのかわからない・・・

はい、確かにいきなり考えろと言われても、難しいと思います。

ここで役立つのが、以下のフレームワークです。それぞれの手法を順に活用し、「だれに」「なにを」を明確にしていきましょう。

3C分析

3C分析は、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)の3つの視点でマーケットを把握するフレームワークです。

  • Company(自社):自社の強みやブランドイメージを理解し、他社に対する競争優位性を洗い出します。
  • Customer(顧客):ターゲットとなる顧客層の特徴やニーズを分析。顧客にとっての「価値」とは何かを考えます。
  • Competitor(競合):競合の戦略やプロモーション手法を確認し、自社との差別化ポイントを見つけます。

3C分析を行うことで、自社の市場における立ち位置や戦略のヒントを得られます。

3C分析については、「3C分析の基本|目的ややり方、順番を簡単に解説」でも、詳しく解説をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

SWOT分析

SWOT分析は、内的・外的な要因から、プロモーションの方向性を見出すためのフレームワークです。

  • Strengths(強み):プロモーションで強調できる自社の長所や強みをリストアップします。
  • Weaknesses(弱み):自社の弱点や、プロモーションにおけるリスクを洗い出します。
  • Opportunities(機会):市場の拡大やトレンドを確認し、プロモーションのチャンスとなる要素を把握します。
  • Threats(脅威):競合の増加や経済的なリスクなど、外部要因の影響を考えます。

SWOT分析は、戦略上の強みを活かし、弱みをカバーするための指針となるので、効果的なプロモーションを立案する基礎になります。

STP分析

STP分析は、「だれに」向けてプロモーションを行うのかを明確にするためのフレームワークです。

  • Segmentation(市場の細分化):市場を年齢や趣味、地域などでセグメント化します。
  • Targeting(ターゲティング):セグメントから、プロモーションの対象にするグループを選定します。
  • Positioning(ポジショニング):ターゲットに対して、自社の価値や特長をどう位置づけるかを決めます。顧客にどのようにブランドを感じてもらいたいかを考え、競合との差別化を図ります。

STP分析で明確にしたターゲット層とポジショニングは、プロモーション戦略におけるメッセージ内容の決定に直結します。


「だれに」「なにを」が決まったら、次は「目標」を立てる

ターゲットやメッセージが明確になったら、プロモーションの「目標」を設定します。目標を設定することで、戦略の評価や改善を行いやすくなります。代表的な指標として以下を設定しましょう。

KGI(Key Goal Indicator)

KGIは、最終的な成果目標の指標です。売上、顧客数、シェア率など、企業全体やプロモーション活動のゴールを明確にします。KGIを設定することで、戦略が目指すべき大きな目標を明確化できます。

KPI(Key Performance Indicator)

KPIは、KGIを達成するための具体的な進捗指標です。プロモーションのクリック率、コンバージョン率、エンゲージメント率など、各施策ごとに測定できる短期的な目標を設定します。KPIをチェックすることで、目標達成に向けて効果的に進んでいるかを確認しやすくなります。


「だれに」「なにを」「目標」が決まったら、次は「どうやって」

ここでは、具体的な施策を決めるためのフレームワークを活用します。以下のフレームワークは、プロモーション施策を包括的に立案する際に役立ちます。

4P分析

4P分析は、プロモーション活動を実行するための「商品」「価格」「流通」「プロモーション施策」の全体像を整理するフレームワークです。

  • Product(製品):商品やサービスの魅力や特徴をプロモーションでどう伝えるかを検討します。
  • Price(価格):ターゲット層が魅力を感じる価格設定を行い、競合との価格戦略を考えます。
  • Place(流通):ターゲットに最も効果的に届く流通チャネル(オンライン、店舗、SNSなど)を選定します。
  • Promotion(プロモーション):広告、SNS、Eメールマーケティングなど、メッセージを伝える手段を決定し、どのようなタイミングで実施するかを検討します。

4P分析を活用することで、商品やサービスの魅力を最大限に引き出し、ターゲット層に最適な形でプロモーションする計画が立てられます。

PESOモデル

PESOモデルは、プロモーション活動を効果的に展開するためのチャネル戦略を整理するフレームワークです。特にデジタルマーケティングの現場では、PESOモデルを活用することで、多様なチャネルを活かしてメッセージの最大化を図ることができます。

  1. Paid Media(ペイドメディア)
    有料の広告やメディア枠を活用することで、特定のターゲット層に迅速にリーチできます。
    活用例:ディスプレイ広告、リスティング広告、SNSのプロモーション投稿、インフルエンサー広告など
    ・目的:リーチの拡大、認知度向上、新規顧客の獲得
  2. Earned Media(アーンドメディア)
    メディアや口コミなどで取り上げられることで、第三者の視点からの信頼性を獲得できます。
    活用例:プレスリリース、レビュー記事、メディア掲載、口コミやレビュー
    ・目的:信頼性の向上、ブランドの話題性を向上
  3. Shared Media(シェアードメディア)
    ソーシャルメディアを活用し、ターゲット層とのコミュニケーションや情報拡散を図ります。
    活用例:SNS投稿、ユーザーによるシェア、コメントやリツイート
    目的:ターゲット層との関係構築、認知拡大
  4. Owned Media(オウンドメディア)
    自社で管理・運営するメディアを通じて、ブランドメッセージを直接伝えます。
    活用例:公式ウェブサイト、ブログ、ニュースレター、ホワイトペーパー
    ・目的:ブランド価値の発信、長期的なファンの育成、ターゲット層とのエンゲージメント向上

まとめ

いかがでしたでしょうか?

プロモーション戦略の立案は「だれに」「なにを」をまずは決める。そのうえで、「目標」と「どうやって」の順番で進めると、やることが明確になり進めやすいと思います。

フレームワークを順に活用し、計画的にプロモーション活動を実施することで、より効果的な結果を得ることが期待できますので、ぜひ実践してみてください。

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