STP分析の基本|やり方と事例を初心者向けにわかりやすく解説

マーケティングを学ぶ

マーケティング担当者であれば必ずといっていいほど「STP分析」を行う機会があると思いますが、いざやってみようとすると、なかなか難しい・・・

なんとなくでやってしまうことも多いのではないでしょうか?

この記事ではそんな「STP分析」のやり方や、基本的な考え方、また事例などをもとにポイント絞って解説していきます。

この記事はこんな人におすすめ

  • STP分析とはなにか、基本的なところから知りたい人
  • 実際のやり方やコツ、また参考事例をもとに教えてほしい人

STP分析とは?

STP分析は、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の略で、効果的なマーケティング戦略を構築するためのフレームワークです。

きちんと実行することで、市場を明確に把握し、特定のターゲット顧客に対して魅力的なメッセージを提供することに繋がります。

マーケティング活動において最も重要な「だれに」「なにを」をきちんと整理するために、非常に効果的なフレームワークとなります。

分析を始める前に、3C分析やSWOT分析を踏まえて、戦略の方向性や目標(ゴール)をしっかり整理しておくことを推奨します。
そこをないがしろにしたままSTP分析を行っても、効果的な分析に繋がらないため注意しましょう。

STP分析の目的

STP分析の主な目的は、リソースを効率的に配分し、マーケティング活動を最適化することです。
もしプロモーションに割ける予算やリソースが無限にあり、効率を無視して広告を実行できるのであれば、STP分析の必要性は低いと考えられます。
ただ実際には、予算やリソースが無限にある状況はありえないので、そうなったときに、いかに効率的に、効果的なメッセージを届けられるかが焦点になり、STP分析が重要になってくる、というわけです。

具体的には、以下のような効果があります:

  • 市場を細分化し、ターゲットを明確化することで、競争優位を築く
  • 効果的なメッセージングを行い、顧客のニーズに応える
  • 製品やサービスのポジショニングを明確にし、ブランドの認知度を高める

STP分析のやり方

では実際にどのようにSTP分析を進めればよいのでしょうか。
各ステップごとに、具体的に見ていきましょう。

セグメンテーション:

市場を特定の基準で分割します。主に以下の二つの視点からアプローチすることを推奨します。

  • デモグラフィック変数(人口動態変数):年齢、性別、所得、教育レベルなどの人口統計的要因を基に市場を分けます。これにより、基本的な顧客の特徴を把握できます。
  • サイコグラフィック変数(心理的変数):顧客のライフスタイル、価値観、興味、行動パターンなどの心理的要因に基づいて市場を分けます。このアプローチにより、顧客のニーズや願望をより深く理解することが可能です。

他にも、国、地域市町村、気候などで市場を分類する「ジオグラフィック変数(地理的変数)」や、購買状況やロイヤルテイなどで分類する「行動変数」などもセグメンテーションでよく使用される軸となります。
商材やサービスに合わせて適切なセグメンテーションを見つけていきましょう。

ターゲティング:

分割された市場の中から、どのセグメントをターゲットにするかを決定します。
ターゲットセグメントのサイズ、成長性、競争状況をもとに判断をします。

ポジショニング:

ターゲットセグメントに対して、自社製品やサービスの価値提案を明確にし、競合と差別化するためのポジショニング戦略を立てます。

この際、ポジショニングのために縦軸と横軸に何の基準を置くかが重要なポイントです。

縦軸、横軸のそれぞれの先には「ユーザーにとっての価値(ベネフィット)」を置くことを意識してみてください。

また各軸の中心にユーザーがいることを意識し、ユーザーのニーズや期待を基にポジショニングを考えると良いでしょう。
これにより、顧客が求める価値と自社の提供する価値を一致させることができます。

STP分析の事例

ここからは実際の事例をもとに解説します。
なお筆者の主観をもとに解説しますので、その点についてはご容赦ください。

「ヘルシア緑茶」の事例

特保飲料の定番として知られている花王の「ヘルシア緑茶」ですが、緑茶業界への参入成功にはSTP分析をうまく活用したことで有名です。

<セグメンテーション・ターゲティング>

「性別」「年齢層」のデモグラフィック、また「食べ物/飲み物に対する消費意識」というサイコグラフィックを軸にセグメンテーションを実施。
そこから「男性×中年層×健康意識/肥満解消ニーズ」をターゲットとして選定。

<ポジショニング>

縦軸にはお茶に期待することとして「健康に良い」と「おいしい」という価値を置きました。
横軸は味に対してユーザーが求めることを軸とし、「本格的な味わい」と「飲みやすい」という価値を置きました。

競合他社が若者を中心としたターゲティングを行うなか、緻密な市場分析と独自のSTPを行うことで、「ヘルシア緑茶」はレッドオーシャンとなっていた緑茶市場で、「健康に良く、飲みやすいお茶」という確固たるポジションを築くことができたと考えられます。

まとめ

STP分析は、効果的なマーケティング戦略を構築するための重要な手法です。

市場を正確に理解し、ターゲット顧客に響くメッセージを届けることで、ビジネスの成功につなげることができます。

この記事を参考に、ぜひ自社のマーケティング活動にSTP分析を活用してみてください。

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